TRAVEL BUDGET / 2026-09-07
年収だけで決めない、会社員の旅行予算の整え方
「年収は700万円前後。でも、旅行にいくら使ってよいのかは分からない」。そんなとき、年収の何%と決める前に、行きたい旅の費用を書き出してみましょう。
旅行資金の準備では、旅に必要な金額と、実際に用意できる金額を分けて考えることが出発点です。本記事では、特定の家計に適した金額を決めるのではなく、会社員のまま旅へ続く時間をつくるための、予算整理の手順を紹介します。
年収だけで「旅行に使える額」を決めない
総務省統計局は、可処分所得、いわゆる手取り収入を、実収入から税金や社会保険料などを差し引いた金額と説明しています。額面の年収と、手元に残るお金は同じではありません。[S1]
さらに、手取りが同じでも、すでに予定している支払いが違えば、旅行に回せる金額は変わります。そのため、この記事では年収から手取りを推定したり、「この年収なら毎月これだけ貯められる」と決めつけたりしません。
予算メモには、旅行用としてすでに確保したお金と、今後用意する金額を分けて記載します。口座残高の全額を、そのまま旅行資金とは扱わない整理です。
まず旅の条件をそろえ、費用を分ける
金額を調べる前に、「何人分か」「何泊か」「出発地はどこか」「いつ行くか」を仮決めします。1人分の交通費と、2人1室の宿泊費を混ぜて足さないためです。同行者と費用を分担する場合は、旅行全体の総額と、自分が負担する額も分けておきます。
次の表はChillTimerの編集上の整理例です。不要な項目は消し、旅の内容に合わせて追加してください。
| 費用項目 | 含めるものの例 | 予定額 | 支払時期 |
|---|---|---|---|
| 往復の移動 | 自宅から目的地までの交通 | __円 | __ |
| 宿泊 | 必要な泊数・部屋数の宿泊費 | __円 | __ |
| 食事 | プランに含まれない食事 | __円 | __ |
| 現地交通・体験 | 現地の移動、入場料、体験 | __円 | __ |
| 準備・追加費用 | 必要な通信、用品、追加手荷物など | __円 | __ |
| 予備枠 | 内容変更や見積もり差への余地 | __円 | __ |
| 合計 | 対象人数・日数をそろえて集計 | __円 | — |
宿泊プランに朝食が含まれるなら、その朝食を食事欄にもう一度足さないようにします。交通と宿泊のセットを使う場合も、別々の見積もりを重ねて数えていないか確認しましょう。
まだ調べていない項目は、0円ではなく「未確認」と書きます。合計額が小さく見えても、未確認の欄が残っていれば、旅費全体を見積もれたとはいえません。
表示価格だけでなく、含まれるものを確認する
航空券を比較するときは、必要な荷物が料金内に収まるかも確認対象です。ANAの国内線案内では、無料で預けられる手荷物の個数は購入運賃によって異なり、無料許容量を超える場合には追加料金がかかるとされています。これはANAの例であり、他社へ同じ条件を当てはめることはできません。[S2]
宿泊は、日付、人数、食事の有無に加えて、取消条件も並べます。JTBの宿泊予約FAQでは、取消料の発生時期と金額は施設・プランによって異なり、予約前の確認画面などで確認できると案内しています。[S3]
比較メモには「見積金額・含まれるもの・別に必要な費用・確認日」を残します。安いか高いかを判断する前に、比較している中身をそろえるための記録です。本記事では、特定の航空券やホテルの相場は提示しません。
不足額を計算する。ただし月額は負担可能額ではない
ここで、計算方法だけを示す仮定を置きます。旅行相場や、年収700万円の人に適した予算を示す数字ではありません。
総予算を18万円、すでに旅行用に確保した金額を6万円、追加資金を用意する機会を毎月1回・合計8回とします。
不足額:18万円-6万円=12万円
1回あたりの比較用金額:12万円÷8回=1万5,000円
この1万5,000円は、目標に必要な金額を均等に割っただけです。実際に毎月用意できるかどうかは、この計算からは分かりません。将来の投資利益や、金額の決まっていない副収入も計算に入れていません。
実際に確保できる金額と合わなければ、旅の条件を見直す材料にします。「計算上必要だから、必ずその金額を捻出しなければならない」という意味ではありません。
出発日とは別に、支払日を並べる
総額が整理できたら、各予約の支払期限も表へ記入します。出発まで8か月あっても、選んだ予約で早い支払いが必要なら、8回に分けた計算だけでは間に合うか判断できません。
例えば、先ほどの仮定で、翌月までに9万円を支払う予約を選び、その時点までに追加できる額が1万5,000円だけなら、確保済み6万円との合計は7万5,000円です。総額の計画とは別に、その支払いには1万5,000円不足します。これも説明のための仮定です。
「最終的にいくら必要か」と「いつまでに、いくら必要か」を分けて確認するのがポイントです。予約前は予定額として記録し、支払後は予定額を実額へ置き換えます。両方を足すと同じ費用を二重に数えてしまいます。
予算が合わなければ、旅の条件を組み直す
見直す対象は、行き先だけではありません。時期、泊数、部屋の条件、現地で行う体験など、変更できる項目を分けておきます。何を変えるといくら変わるかは、改めて見積もりを取り、決めつけずに比較します。
「今回は移動先を絞る」「泊数を変える」「時期をずらして調べる」という複数案があれば、ひとつの予算に自分を合わせる以外の考え方ができます。何を残したいかを先に書くと、数字を見直すときの判断軸にもなります。
最初に決めるのは、立派な旅行予算ではありません。行きたい旅の条件を一行にし、費用表へ「分かる金額」と「まだ確認が必要な項目」を書くことです。
ChillTimerは、会社員のまま旅へ続く時間をつくる活動です。年収の数字から旅の規模を決めるのではなく、自分が行きたい旅を、費用と支払時期に分けて眺めるところから始めましょう。
出典(2026-09-07確認)
[S1] 総務省統計局 https://www.stat.go.jp/library/faq/faq19/faq19a03.html
[S2] ANA国内線 https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/boarding-procedures/baggage/domestic/free/
[S3] JTB宿泊予約FAQ https://faq.jtb.co.jp/faqs/f4876/